■ もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド >> ゲーム紹介 ■

「もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド」の私的レビューv

▼ ゲーム紹介 ▼

ジャンル:
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開発元:
価格:
機種:
発売日:
プレイ環境:

個人的評価:
アクションRPG
任天堂(株)
(有)バンプール
4,800円
Nintendo DS
2006年9月2日
1人用/セーブ3つ

★★★★★
■ストーリー
さえない日々、つまらない世の中…。そんな毎日を送っていた35歳独身の主人公はある日、ルピー(お金)の達人と名乗る謎の老人に、ルピーを貯めて泉に投げ込んだ者だけが導かれる夢の楽園「ルッピーランド」の話を持ち掛けられます。その話にすっかり魅了された主人公は、老人の力により、”ルピーが尽きると命も尽きる”という宿命を背負う「チンクル」へと姿を変え、ルピーをめぐる長く険しく、そして奇妙な冒険に旅立つのでありました。

■どんなゲーム?
35歳独身男が、しあわせ探しの旅にでる風変わりなRPG。
全てをルピー(お金)で換算する世界を旅し、マルチな商法(各地で収集した名産品や、自家調合したアイテム売却、人助けの謝礼金、ボスを倒した戦利金、請負仕事の報酬など)でお金を集めまくります。所持金=HPの為、まさに身銭を切る冒険を体験できます。
ルッピーグッズ集め、レシピ集めなどのコンプ系やり込みもあります。
▼ レビュー ▼
こりゃまた、なんちゅー濃いゲーム!
まず、このゲームがこの世に生まれて、それが売れているという事実に乾杯!

と、はっちゃけた書き出してしまいましたが、それくらい好きですこのゲーム。
お金がテーマのRPG。お金が全てな世界。その発想のスゴさに脱帽です。
だって、情報を得るのに、「いくら出す?」、お礼を貰うにも、「いくら欲しい?」と聞かれ、電卓が表示されるゲームなんて! い、言い値?! こんな駆け引き感、初体験!

無茶な金額を言うと逆に損をするので、ギリギリの線引きに毎回ドキドキです。

アクの強いグラフィックや世界観も最高ですね。
主人公は、『ゼルダの伝説』に出てくる脇役チンクル。
え? チンクル嫌い? キモイ?
大丈夫。一見キモイけど、プレイしていくと、だんだん可愛く見えてきます。不思議です。
この35歳独身という微妙な年齢設定(生涯設計を焦りだすお歳頃)が、お金をめぐってあれやこれやと汗水流す様が妙にリアルでコミカルで世知辛く、とっても魅力的です。

え? ゼルダ未経験? 難しくて途中で止めちゃった?
大丈夫。ゼルダへの愛とパロディに満ち溢れてる(ファンは嬉しい)けど、知らなくてもまったく問題ないです。むしろ難しそうと敬遠してた人や、昔途中で挫折しちゃった人にこそオススメ。

一見バカゲーにも見えるパッケージとは裏腹に、RPGとしても実に良い出来です。

ダンジョンのワナや仕掛けも、考えれば自力で大丈夫なサジ加減だし、配置も絶妙。
お金の稼ぎ方は千差万別。プレイヤー独自の稼ぎ方が出てくるでしょう。1本の大筋はあってもその他の自由度はそうとうなものです。
序盤ちょっと作業感があるけど、じわじわと面白くなってきます。

操作は簡単です。戦闘も単純明快。突っ込んで煙に巻き込むだけ。
と言っても、戦闘中煙を突付くと攻撃力がUPするし、「いかに多く巻き込むか」(多いほどドロップ数UP)という戦略もあり、見てるだけとも違います。弱いチンクルだけど、個性派揃いの用心棒も雇えます。(オールバックでスーツにグラサンと刀の彼がお気に入りv)

途中で挟まれるミニゲームなボス戦は、適度にテクニカル。
ユニークだし、バリエーションも豊富で飽きません。
しかも、特殊な操作はそれと気付かず予行練習できてる親切設計。

テンポもいいですね。
メインイベントとサブイベントを全てこなしていけばルピーは無理なく溜まっていくので、流れ作業によるルピー稼ぎを強要される事はありません。 何よりも、パラメータが所持金のみながシンプルイズベスト。RPGは、「ちから」「まりょく」「せいしん」など数字がいっぱいでちょっとわずらわしいけど、これは所持金だけ考えていればいいのでホント楽です。所持金=HPって所も身銭を切ってる感じがして、お金お金と言いつつそんなに黒くない印象を与えてて良いです。

それにお金を投げ込んでタワーがガガガー!っと伸びる時のカタルシス!
ホント気持ちいい。後半延びすぎて笑えるし。
タワーを伸ばすと行く所が増えるシステムなので、先が知りたくてワクワクします。

特に好きなシステムはマッピング。
手に入れるマップは未完成で、マップにない物を見つけたら書き込んでいくというもの。
お金稼ぎの1つなのですが、これのおかげでフォールド上をくまなく歩くのが苦になりません。むしろ積極的にウロウロ。そして、マッピング目当てで歩いてるうちに、自然とフィールドにある仕掛けや人と出会い、イベントをこなしたりやヒントを得る事ができます。上手い。

ボリュームも満足行くものでした。

ただ、難点をあげるなら移動速度が遅い事ですか。押し続けると早歩きにはなるのですが、ダッシュはありません。まあ、チンクルが走ってたら変ですが。それと、左利きにはかなり操作しずらい部分があります。左手で十字キーを操作しつつ、同時に左手でペンを…。

無理じゃ…!(涙)

実際、私も左利きなので苦労しました。(持ち替えてやるので大変) でも止める気はなかったですね。それを押してもプレイし続けたかったこのゲーム。あと、エンディング後のお楽しみなどはないです。これをつまらないと見るか、本編一本勝負!と見るかは人それぞれかと。

開発は、コアなファンも多いバンプール(前ラブデリック)。
アクの強いグラフィックも世界観も、独特で練り込まれたゲームシステムも、不思議な音楽も、無国籍音声も、彼らのシュールなユーモアセンスが良く光っています。ちなみに、ラブデ系特有の好き嫌いの多い、”待ち”という概念は今回はありません。良い意味で万人向け。

お金稼ぎといっても泥棒などの犯罪はできません。任天堂らしいですね。お子様にも安心。
ただ数字が絡むので、足し算引き算は出来る年齢が必要かと思います。

キッザニア東京(子供が職業体験をしてお金を稼ぐテーマパーク)が開園した、まさに同時期にお金がテーマのゲームが出るのが時代を反映していて面白いですね。株をテーマにしたゲーも色々出るようですし。お金稼ぎ自体が娯楽になる時代なのでしょうか。

どんなゲームをやっても、ついついお金稼ぎに走っちゃう人。
ちょこちょことプレイするのが好きな人は、はまっちゃうと思います。
操作も慣れてしまえば、一癖もニ癖もある世界観を満喫できると思います。

ゼルダを神格化してる方には…どうだろう?

と、とにかく、ありがちなRPGに飽きちゃった人にはとってもオススメです。
本格的なRPGに挑戦したいという人よりも、肩の力を抜いてまったりゆっくり楽しみたいという人に是非ともおオススメしたい1本。キモ可愛いチンクルに汗水流してやって下さい。

最後に、略題の『もぎチン』は、声に出して読みたい日本語キングオブイヤー2006。
だと思うのは私だけ?(苦笑) すごいインパクト。もぎチン、もぎチン。

ああ、タワーの貯金箱欲しいなぁ!(お金を入れて伸ばすヤツ) (06/11/02)





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