■ タイムホロウ -奪われた過去を求めて- >> ゲーム紹介 ■

「タイムホロウ -奪われた過去を求めて-」の私的レビューv

▼ ゲーム紹介 ▼

ジャンル:
発売元:
価格:
機種:
発売日:
CERO:
プレイ環境:

個人的評価:
過去修正アドベンャー
(株)コナミデジタルエンタテインメント
4,980円
Nintendo DS
2008年3月19日
B(12歳以上対象)
1人用/セーブ1つ

★★★☆☆
■ストーリー
主人公の時尾歩郎は両親と暮らすごく普通の高校生。
そんな歩郎が誕生日の朝、火事の悪夢で目覚めると、世界は何故か『両親が12年前失踪した状態』に変わっていた。なぜ世界は一変してしまったのか。歩郎は愛猫フォ郎から受け取った、過去を修正できるというホロウペンの力を借りてで事件を解決していく。

■どんなゲーム?
過去を修正する事で謎を解いていくアドベンチャーゲーム。
事件や事故が起こった原因や場所・時間などを会話で特定して、原因を修正する事で、事件を”解決”するのではなく、”なかった事”にしていきます。SFと思わせて実はオカルトな1本。
▼ レビュー ▼
タイムパラドックスものや、一定期間をループするギミックなどが好きな管理人。
このゲームも「空間に穴を開けて過去に干渉する」という仕掛けにときめいて購入!

…。
………。
……………あれ?

おお、なんという事だ。逆裁4の悪夢再び。
面白い事は面白いんだけど…、クリア後のこのモヤモヤ感は何? が再び!(苦笑)

実に惜しい作品でした。
現在にペンで穴をあけて”その場”の過去に干渉できるという仕掛けは秀逸。
絵や音楽や操作感覚なども丁寧に作られてて、けして手抜きという訳ではない。

なのに、なんでこんなに色々薄っぺらいんだろう。
ボリュームもスケールもドラマ性も人間関係も薄い薄い。

本編が5〜6時間で終わる短さもビックリでしたが、
何よりも設定の根本的な部分、「ホロウペンが何故あるのか」、「2本ある意味は」、
「どうして先祖代々伝わってるのか?」、という部分がまったく語られていないという罠。

そんなバックボーンが弱い設定(世界観)なものだから、
ストーリーも、「”何故か過去が修正できるペン”を手に入れた少年が、自分と知人に
降りかかった火の粉を、ただひたすら振り払うだけのお話」になっちゃってるんですよね。
こんな世界征服さえできそうな、思いっきり大風呂敷広げられそうなアイテムなのに、
やっている事は「のび太の仕返し」レベル。逆恨みと私怨私怨でガックリです。orz

せめて、友情を育む等の日常描写がもうちょっとあったら違ったと思うんですが、
必要最低限くらいしかない上、トラブった時の身勝手な振る舞いやヒステリックな状態
ばかりを見せられるので、積極的に助けたいと思えないのがなー。それのせいで、
こいつ助けないと話が進まないから…。みたいな「やらされてる感」が大きいんですよね。

ここまで所謂”ドキュン”な人達が揃いも揃うゲームも珍しいなと小一時間。

タイムパラドックス的ロジックも、辻褄合ってるようで投げっぱなし部分は多いし。
結局、総当りすれば話が進んで、プレイヤーが推理する部分も自由度もほぼないし。
いくら進めても、「なるほどそうか!」とハッとする謎解きやどんでん返しもないし。
この手のゲームによくあるクリア後のBGM集、CGやムービー鑑賞もないし…。

なんで、こうなっちゃったんだろう。
ホロウペンの仕掛けを思いついた時点で、スタッフ安心しちゃったんだろうか。
それとも、アニメで容量使っちゃったんだろうか。
アニメで容量食って値段が上がるなら、その分テキスト増やして欲しかったな。

定価で買った管理人ちょっと涙目。

唯一の救いは、保おじさんとかのんのエピソードが微笑ましかった事くらいかな。

あと、ゲームを進めていくうちに、周りの人がいくら死んでもひどい目にあっても、
「修正すればなかった事になるんだし別に…」、と心が痛まなくなるという、
凡人がホロウペンを手にした時の怖さ(人の生き死にをつい軽視してしまう)を
身をもって体験出来てしまうので、ある意味リアルなゲームなのかも。

私にはあまり合いませんでしたが、
この手のアドベンチャーゲームは嫌いじゃないのでギリギリ★3個。(内容的には2)

ハードで落ち着いた感じの「SFミステリー」を期待すると肩透かしを食らいます。
あと、深く考えたり、重厚なストーリーを楽しみたいって人にも向いてません。

あまり深く考えず、マンガを流し読みする感覚でサクサク遊びたい人向け。

逆裁でいうなら、逆裁1〜3は面白かったけど、4は…って人には厳しいかと。
4もすごく面白かった! という人なら大丈夫だと思います。

…続編。出るかな〜?

ホロウペン自体の仕掛けはホント秀逸なので、このまま終わるの勿体無い。(08/03/17)





BACK