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「ガラクテイル」の私的レビューv

▼ ゲーム紹介 ▼

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機種:
配信日:
プレイ環境:

個人的評価:
コミックタッチアドベンチャー
(株)コーエー
(有)ムームー
4,800円
Nintendo DS
2006年3月16日
1人用/セーブ2つ

★★★☆☆
■ストーリー
舟の難破で流れ着いた島でロッコは、人間に捨てられたガラクタ達が住むフシギな国「ガラクタラン王国」に迷い込んでしまう。ロッコはガラクタ達との冒険の旅に巻き込まれていくが、途中でガラクタラン存亡の危機が迫っている事を知る。ガラクタ達との交流と親子の物語。

■どんなゲーム?
画面の色々な所をタッチして進めていくアドベンチャーゲーム。
プレイヤーは少年ロッコになり、国の大臣チクタク達と一緒に、画面に隠れているガラクタを探しながら冒険をしていきます。ストーリーはコミック風味に展開。しかけ絵本的ゲーム。
▼ レビュー ▼
「ここ掘れ!プッカ」を作ったムームーの初のDSソフトとして当初から気になってたけど、
ネットでの評判があまり良くないので、買うをずっと二の足を踏んでいた1本。

そんな1本を、夏休みワゴンセールで1000円だったので、ダメ元で買ってみた。

あれ? 思ったより悪くない。
というか、面白い。
ごめんムームー、こんな事ならもっと早く遊べば良かった。

と、個人的には思った訳ですが、同時にこれは確かに賛否両論あるゲームだなと確信。
このゲームを一言で言うなら、「色々勿体無い」でしょうか。

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世界観や音楽、キャラデザ等は実に可愛らしく牧歌的。
「プッカ」や「アストロノーカ」を手掛けた森川幸人氏の絵は、ホント癒されます。
暖かくてユーモラスなこのフォルム。この色合い。たまらないよなー。
背景も色彩豊かでまったりと、まるで絵本のような世界が広がっているし、
音楽のちょっとまの抜けたメロディーは耳に残って鼻歌を歌ってしまいたくなるくらい。

ストーリーは「子供主人公もの」によくある王道もの。
(ひょんな事から異世界に来てしまった少年少女が困難に立ち向かって成長する系)
好みはあるけど、こういう普通の少年が頑張るお話は結構好きです。

ネジが2.3本抜けてるような、個性豊かなガラクタとの掛け合いは微笑ましいし、
途中で出てくるもう1人の少年ガジェスとの緊迫のやり取りは熱いし。
それに後半からの親子ものストーリー。こういうのに弱いんだ、思わずじわっとくる。

最後の方なんか、素で「ロッコ…ガンバレ!」と応援してしまった。

童話や昔話をモチーフにした展開は、人によっては幼稚と感じるかもしれませんが、
絵本的な世界観に合っててると思います。(ただし、ギャグはちょっと子供向けかな)

個人的には、「人間に捨てられたガラクタ」というテーマを扱ってても、
変に説教くさくない所が良かったです。

と、基本は面白いのですが、ツッコミ所はシステム面。

コミックパートは、お話が1コマずつ出てくるのですが、連打で早送りできない上、
コマが出てからボタンが押せるまでに変なウエイトがあるのが気になりました。
コマ表示…………ボタン押せる>ポチ>次のコマ…………ボタン押せる、みたいな。

まったりしてると言えばそうだけど、とにかくテンポが牛歩なので、
サクサク遊びたい人は、ここでたぶんイライラMAX。

アドベンチャーパートは、画面の気になる所をタッチしてガラクタを探すのがメイン。
(会話はタッチした物によって色々と展開。つまり「会話」というコマンドはない)
例えるなら、Flashのアイテム探しゲーム(DSならリクとヨハン)が近いかな。
なので、この手のゲームが好きな人は宝探しのようで面白いけど、
そうでない人にとっては、「ただ画面タッチしてるだけじゃん」になってしまう可能性も。

あとバトルパートは、仲間のガラクタは武器や防具でもあるので、
主人公1人がガラクタを使って戦う形になります。
ガラクタによって攻撃力は高いけど空振りしやすいとか、攻撃した後よろけやすいとか、
芸を見せて敵を幻惑とか、個性があって工夫できる部分もあるけど、基本は1対1。
なので、色々なガラクタを使って、そのリアクションが楽しめないと単調に感じる事も。

ただ、システムの荒削りっぷりは、ムームーのDS初のゲームと考えるとある程度
仕方ないかなとも思ったり。(次回作の「タシテン」は練られて良く出来ていました)

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なので、このゲームの面白いつまらないの線引きは、
主人公やガラクタ達に感情移入出来るか否か!のような気がします。
この子達が可愛いと思えるなら、システム的な不満点は気にならないけど、
逆に感情移入できないと、不満点ばかりが気になってイライラ…。

合う人は2周しても楽しいけど、合わない人は第1章クリアするのも苦痛という感じ。
でも一応、ファミ通でシルバー殿堂取ってるんですけどね。

そんな事からオススメするなら、ゲームをガンガンクリアするタイプの方より、
あまりゲームをしない方や、キャラや世界観重視のまったりプレイヤーさんに。

性別的なら男性よりは女性、特にママさんあたりにオススメしたい1本です。
小さいお子様と一緒に読み聞かせっぽく遊ぶのもいいかもしれません。

個人的に世界観やお話はすごく良いけど、システムが荒削りなので★は3。

定価ならちょっと高い買い物かもだけど、今ならワゴンで1000円以下で買えるので、
5時間〜10時間、ユーモラスな世界のしかけ絵本を満喫するつもりでどうぞ!(09/11/27)





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