■ AGAIN FBI超心理捜査官 >> ゲーム紹介 ■

「AGAIN FBI超心理捜査官」の私的レビューv

▼ ゲーム紹介 ▼

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機種:
発売日:
CERO:
プレイ環境:

個人的評価:
サスペンスアドベンチャーゲーム
テクモ(株)
(株)CING
5,040円
Nintendo DS
2009年12月10日
B(12歳以上対象)
1人用/セーブ3つ

★★★★☆
■ストーリー
新聞社に届けられた19年前の消印の手紙。それは19年前にクロックフォードを震撼させた連続殺人鬼”プロヴィデンス”からの手紙だった。手紙に指定された場所へ向かったFBI捜査官のジェイは、突如過去を見る能力「パストヴィジョン」を目覚めさせる。戸惑うジェイの目に映ったのは、”プロヴィデンス”からの新たな挑戦状だった。「私はまた、人を殺すよ…」

■どんなゲーム?
FBI捜査官ジェイとなり、連続殺人事件に挑むサスペンス系アドベンチャーゲーム。
地道な聞き込みをする捜査パートの他、過去の事件現場を再捜査する"パストヴィジョンパート"では、過去と現在、2つの風景の違いを探して"過去を再現する"ことで、事件当時の映像を見ることができる。実写と海外ロケの風景を使う「海外ドラマ」的世界観が特徴。
▼ レビュー ▼
アナザーコードやウィッシュルーム等の良作を連発するCINGの作品。

CINGの描くあのやわらかいイラスト風のキャラクター達が大好きなので、
最初に「今度はキャラが”実写”」と知った時は、驚くやら困惑するやら。(^^ゞ
とはいえ、ギミックは面白そうだし、実写は見てれば慣れるだろうしと、特攻購入。

結果は大正解!
もう面白くって、うはうはしながら遊んでしまった。

心配してた「実写」部分は、実写だからこそ表現できた世界観だと納得。
写真を切り抜いたような枠の加工や、パラパラ漫画的な動きが良い味出してます。
そしてCINGらしい透明感のあるBGM。(管理人は、鑑識課の曲が1番のお気に入り)
毎回思うけど、ここは本当に世界観や空気感を出すのが上手いメーカーだよね。

「海外ドラマ」風の世界観ですが、カーチェイスや銃撃戦があるわけでもなく、
地道な聞き込みと、主人公の能力(過去を見るパストビジョン)を駆使して謎を解く、
比較的静かに読み進めていくタイプのAVGなので、派手さや華やかさはないのですが、
キモのストーリーが、とにかく面白い!!

19年前の連続殺人事件と、それをトレースするような現在連続殺人事件。
この二重構造の計10個の事件を平行させて謎を解いて行くのが良いよ良いよ。

特に序盤で19年前の第1の事件の犯人の顔が分かった瞬間の驚きたるや。
「えええええ??!!!」って素でこんな顔→Σ(°Д°;)になっちゃった。

そして、そこから加速度的に面白くなっていく展開。
いや、ゲーム自体はゆるやかなんですよ。なのに、「つ、続きは?続きはー?!」と、
プレイヤーの気が逸って、不思議な疾走感を感じてしまうゲームと言った感じ。

「海外ドラマ風」らしい、いい感じの強引さもあって不思議な魅力があります。
ワクワクドキドキしっぱなし!

結果、勘が良い人なら予測が付く展開にはなるんだけど、
ラストのラストが思いっきりCING節!

この衝撃のラスト、賛否両論あるかもしれないけど、私は大好きだ!
こういうのゾクゾクする。逆に、安っぽい大団円じゃない所が良いんだよね。
思わず続編を希望してしまいそうになるけど、これで完結でも納得するので無問題。

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システム面は、インターフェイスは良く練られて親切でした。
全てが3D移動だった前作(ウィッシュルーム)と違い、移動と会話はコマンド選択式で、
3D移動はパストビジョンの室内探索のみと限られてて、かなり改善されてます。

捜査パートは移動と会話のオーソドックスなAVG。
ある程度は行き先の指示が出るので、そんなに悩まないのですが、
いざ「聞き込み」となると、行ける場所は多いし、フラグ立てが若干分かりにくいので、
ほぼ総当り的に話を聞きに行く、足で稼ぐFBIになっちゃったりもしますが。(^^ゞ

過去が見えるという、パストヴィジョンパートは、
ただ見えるんじゃなくて、DSの2画面を使って右が現在、左に過去という風に
同時に見ながら、しかもその部屋をウロウロできるという仕組みになってます。

そして、その現在の部屋を事件当初と同じように再現していくと、
例を出すなら、過去のこのテーブルにビールが置いてあるぞ→現在にも置く→
過去のビジョンが見える→なるほどここで誰かがビールを飲んでいた訳か…。
という感じに、事件の全容が少しずつ分かっていくという…。

簡単に言っちゃえば、3D間違い探しなんだけど、これが面白かった。

片方しかタッチできないというDSのハード的制限を、
「片方は過去なので見えるけど触れない」&「もう片方は現在なので見えるし触れる」
という風に、逆にうまく仕掛けの理由付けに使ってるが秀逸ですね。巧いの一言。
CINGはいつも2画面をうまく使ったギミックを作ってくるので大好きです。

ただ、パストビジョンも1度に全て出来る訳じゃなく、何度か捜査に戻って情報や
アイテムを集める必要があるのに、1度そこを出ないと、「何かが足りない…」とかの
誘導が出ないので、自分がポイントを見つけてないのか、事前捜査不足なのか、
現段階はこれでOKだから先に進んでいいのか、ちょっと分かりずらかったりはします。

会話中のキャラ切り替えのウェイトは、最初は気になったけど慣れました。

と、若干システムに荒削りな部分もあるのですが、
このパストビジョンは、作りこんだらより面白くなりそうなので今後に期待します。

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キャラクターは派手なインパクトはないものの、皆良い味出してました。
逆に狙って語尾が変なキャラとかもいないし、落ち着いてプレイできる感じ。
ジェイ、ケイト、レーン、モーリーン等のメインキャラはもちろんの事、
脇役のアルフレットやフィリップ、ロビーなども魅力的なのが良いですね。

個人的には、ヒューゴが特にお気に入り。ヒューゴ可愛いよヒューゴ。
わんこみたいで可愛いよ!
見た目はアンニュイで、「先輩!」とかめっちゃ健気。頭の回転は速いし、
とにかく、困った時にはヒューゴに電話! この新聞記者は万能すぎる!

レーン警部もいいなー。なぜかよく背中から登場する鉄壁のツンデレキャラ。
モーリーンは美人さん。見た目はクールだけど話すとホットなギャップが良い。
パートナーのケイトが良い人過ぎて、空気なのが少し残念ですが。(´・ω・`)

このキャスティングされた方達は色んな番組にも出ているそうですね。
開発者インタビューを読むと、某バラエティ番組にヒューゴの人が出てたとか…。
おかげで、これからTVの中の彼達を探すという楽しみも出来ました。(ヒューゴ見たい!)

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プレイ時間は7時間〜11時間くらい。
分岐も2周目もないから、定価はちょっと割高感あるけど、私は大満足です。
クリアしたら、オープンするサウンドテストモードとかあったら完璧だったかな。

私はすごく面白かったけど、少々ツッコミ所もあるので、★は4つ。

テキスト読み飛ばしとかで急いでプレイする人は、少しイライラするかもしれないけど、
洋画や海外ドラマの雰囲気やノリが好きな方や、
世界観やキャラクター、雰囲気重視のプレイヤーさんにオススメ。
寝る前に捜査1日分とか、お部屋でまったり遊ぶのに向いてますね。

とにかく最初、「ん?面白くないかな?」って思っても、
とりあえず捜査3日目までは遊んでみて欲しいと思う1本です。

でもね、なんとこのAGAIN。
初日900本しか売れてないんだって!

なんてこった。こんなに面白いのにそんな…。orz
シリアルナンバー付けてもいいくらいじゃないですか。(´・ω・`)

というか、極限脱出と同日に出すテクモに物申す!
悲しいけど、ガチンコでぶつけても勝てないから、チュンソフトには。
これはドラクエの発売日にRPG出すと同じくらい、無謀な事をしてると思う。

くそー、900本か〜〜。じわ売れしてくれないかな。
というか、CING…生き残ってくれ。

シーズン2出たら絶対買うよ。今後のCINGも応援していきたいと思います。(09/12/19)





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