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「ラストウィンドウ 真夜中の約束」の私的レビューv

▼ ゲーム紹介 ▼

ジャンル:
発売元:
開発元:
価格:
機種:
発売日:
CERO:
プレイ環境:

個人的評価:
アドベンチャーゲーム
任天堂(株)
(株)CING
4,800円
Nintendo DS
2010年1月14日
B(12歳以上対象)
1人用/セーブ3つ DS振動カートリッジ対応

★★★★★
■ストーリー
1980年ロサンゼルス。取り壊しが迫ったケイプウェスト・アパートメントに住む元刑事のカイル・ハイドに届いた、一通の手紙…。後ろめたい過去を持った住人たちが住む古いアパートに隠された秘密。そして、謎に包まれたままの父の死。二つの過去がゆっくりと重なり始める…。

■どんなゲーム?
タッチペンを使い、小説を読むように物語を解き進めていくアドベンチャーゲーム。
プレイヤーはカイル・ハイドとなって、秘密を抱えたアパートの住人との会話の駆け引きや、DSの機能を使った謎解きをしながら、少しずつケイプウェストを巡る大きな謎を明らかにしていきます。「ウィッシュルーム 天使の記憶」の1年後が舞台のカイルシリーズ第二弾。
▼ レビュー ▼
※今回かなり長文です。

「人の死なないミステリー」で話題を呼んだ「ウィッシュルーム」の続編。

前作がホントに大っ好きなので、最初に情報を知った時は驚いたのなんの!
だって3年振りですよ?!まさか出るとは思ってなかった。最高のサプライズ!
万歳!CING大好き愛してる!!と大喜びし、発売日を指折り数えて特攻予約購入。

あ〜、面白かったー。今回も思いっきり楽しみました。

1)世界観・音楽

毎回思いますが、CINGの作る世界は本当に美しいです。
「透明感」とか「独特」などという一言では言い表せない感じ。何と言いましょうか、
ハードボイルドな世界観に流れる、ハートウォーミングな空気ですかね?
この絶妙なブレンド感。このさじ加減はまさに職人技レベル。CINGならではですね。

凛として澄んだ音楽は、聴いた瞬間その世界に没頭できるほどのパワーがあるし、
ロトスコープという手法を使ったキャラの動きは生き生きとして、画面上の絵なのに、
血の通った人間に思えてきてしまうほど。全てが合わさって出来る雰囲気は秀逸です。

この雰囲気を味わうだけでも、このゲームを買う価値があると私は思います。


2)ストーリー

そんな世界観で表現されるストーリーですが、相変わらずの淡々っぷり。
勾配のゆるやかな坂道を1歩1歩登って行くように盛り上がっていくんですよね。
初めは普通のアパートの話ですが、中盤から加速度的にどんどん面白くなってきます。

ラスボスが誰かとか、シリーズファンにはなんとな〜く読める展開ではありますが、
それでも、AはBかと思ったらCだったみたいな、どんでん返しは充分に味わえます。
アパート内だけで話が進むので、スケールが小さいような気もしますが、
そこに時間軸(25年前や13年前)の謎も絡んでくるので、私は気になりませんでした。

そして今回は、過去の殺人事件が題材ということもあって、
前作より、より一般認識的にいう「ミステリー」に近い話になっています。
DSを縦に持って読み進めていく、小説的感覚もミステリーを際立たせてますね。

ストーリーは前作の1年後の話ですが、前作を遊んでなくても大丈夫な作りに
なっていて好感が持てました。ただ、遊んでるとキャラを知ってる分10倍面白いかと。

終わり方は、相変わらず賛否両論かな?
悪が痛い目見て、溜飲が下がってあースッキリ!を期待してる人は不満が残るかも。
ただ、これがカイルシリーズの味。(CINGの味) この会社の作る話は一貫して、
「主人公の出来る範囲で、出来る事を頑張るのみ」というスタイルを貫いてます。

カイルは元刑事とはいえ、今は何の権限も持たない一般のセールスマン。
裏の仕事で、色々な情報を得る手立ては持ってはいるも、出来る範囲は限られてます。

その出来る範囲でどう謎を解いていくか…!
どう説得して話を聞きだすか…!

その攻防がこのシリーズのキモですね。
あと、他人に一定以上は踏み込まない姿勢も好きです。その先は相手に任す。
そこが自立した大人同士の関係のようで、会話も洒落てて渋い渋い。

エンディングは皆の表情も素敵で、希望のある心地良い余韻に浸れたし、
名台詞もたくさんあって、本当にいいお話でした。
親子ものに弱いので、最後の方なんか涙腺がちょっとヤバかったです。


3)キャラクター

今回もキャラクターは抜群に良かったです。
序盤は赤の他人なキャラも、ゲームを進めていくうちにどんどん好きになっていく感じ。
スティーブも良いし、マリーも、カフェのマスターも…。もう、全部良いですね。
主要キャラのレイチェル、エド、ミラ。誰一人欠かす事の出来ない人達です。

それにしても、主人公カイル・ハイドの魅力的な事といったら。
いちいち腹が立つほどカッコイイのに、お茶目な部分もあって可愛いこのギャップ!
某所での「カイルはハードボイルドならぬ、ハーフボイルドだ!」の言葉に激しく同意。
(ゲームオーバー時のカイルは、本当にバカイル全開で、笑えて微笑ましくて大好きだ!)

そして今回、何故かほぼ毎日、寝姿と着替えを披露するカイルさん。
ここは、テキストだけでも問題ないのに、シャツを着るとき肩甲骨を見せてくれる。
さらには、ソファに座り物思いに耽ったり、窓辺に佇んだりとアンニュイ全開。

CINGは、女性プレイヤーを萌え死させる気ですかね?

このゲームは、カイル・ハイドの魅力や人間性を、これでもか!これでもか!と、
打ち出しまくってると思う。おまけの袋とじも「カイルハイドの習性、嗜好、得意技」と
裏話満載だし、CINGのカイルというキャラへの本気を見た気がする。

これで、設定資料集付きの攻略本が出たら完璧だと思う今日この頃。
このゲームは本気でカイルにマジ惚れするゲームだと思う。

レイチェルとの、何とも言えない絶妙な距離感も良かったな〜v


4)小説システム

そして今回の目玉システム。
章をクリアすると、その章のストーリーが小説に綴られ読むことが可能というもの。

この仕掛けは面白いですね。自分の取った行動が補完つきの文章になるので、
つい積極的にいろんな事を試してみたくなります。(そしてどうなるかワクワクv)
補完小説が、別売りせずにゲーム内にあるというのも好感が持てますし。
(最近は、補完小説を別売りで出す前提で作るゲームとかもあるから…。orz)

小説の出来は中の中。
文章の繋がりや表現とか、ちょっと気になる部分もありましたが許容範囲でしたし、
結構面白かったです。小説の文章より袋とじの文章の方が面白かったので、
もしかしたら、整合性を考えすぎてガチガチになっちゃったのかなーとも思ったり。

ただ著者が、マーティン・サマー(前作で登場)って事になってるんですよね。
ちょっと「ん?」って思う所も、あのマーティン・サマーなら、しょうがない。(^^ゞ


5)他システム・謎解き

システム的には、前作とあまり変化はありませんが、全体的に親切になってます。
前作で不満だった部分(扉や電話の煩わしさ)等、細かい所が改善されていました。
バックログも付いたのが、地味ですが嬉しいですね。

あと、ゲームオーバーでもリトライが効くし、今回リトライしてもデメリットがない仕様。
(前作は1周目にリトライすると、真のエンディングがオープンしなかった。orz)
謎解き部分は、袋とじによってヒントを得られるし、(こっちは開けないと良い事ある仕様)
そのヒントもはっきりと書かずに、カイルのエピソードとして読んでも面白いように
書かれていて非常に良かったと思います。ニクイ演出です。

謎解き部分は、DSの機能(2画面・タッチ・マイク)を使ったり、DS本体自体を駆使したり
非常に面白かったです。特に、「フタぱったん」する謎解きが好きで好きで。

謎解きの方法などに、若干の理不尽さを感じたりする方もいるようですが、
私は全然理不尽さは感じませんでした。シリーズ経験者だと若干読めちゃいますが。(^^ゞ
ただ、システムが親切になっている分、難易度は下がっているように感じました。

とはいえ、終盤のコンドルの謎解きは、人によっては激ムズかも。
(脱出ゲームやってると、あの手の暗号は慣れてるので。普通に解けると思う)

あとは、クリア後のおまけ要素が多くて嬉しかったです。
小説のラストに追加される、エピローグや年表、ミニゲーム2つ。
そして、サントラとしていつでも聞けるジュークボックス。閉じても聞けるので便利です。

わがままを言うなら、イベントCGをいつでも見られるモードがあると良かったな〜。


6)まとめ

問題点を挙げるとすれば、
移動速度がやや遅い所と、小説の文章が人によっては稚拙と感じる所と、
続編ゆえに新鮮さは薄い(その分安定感は抜群)、という所くらいでしょうか?

今回特に、ここが直れば…って思う所がなかったので、CINGの努力がみて取れました。

プレイ時間は10〜15時間。小説も読むと20時間くらいと、充分なボリューム。
2周目はありませんが、本編に別解のある謎解きや、細かい分岐が沢山あるので、
自ら色々試して小説の変化を楽しむやり込みも出来ます。(ゲームオーバーも楽しいよ!) 

個人的には新鮮さは薄いけど、ノンストレスな安定感、適度な謎解きと伏線集約、
そしてカイルの魅力を、思い存分堪能できる仕掛け満載だったので総合的に★5。
初めて遊ぶ方は、新鮮さがプラスされるので何の問題もなく★5で。

テキスト読み飛ばしでバリバリクリアしたい人には合わないかも知れませんが、
活字が好きだったり、チャンドラーなどのハードボイルドにグっと来る人、
世界観やキャラクター、雰囲気重視の方たちにオススメの1本。

そして、まだの方はぜひ「ウィッシュルーム」を遊んでみてください。
システムが少し荒削りですが、このゲームが面白かったら、絶対面白いはずです。
(ミラとの出会いやブラッドリーの話がメインなので、よりカイルを知る事が出来ます)

CINGのAVGに外れなし。今後も応援して行きたいですねv

前作からのストーリーは一応今回で結末を迎えているので、引き続きの続編を…、
というのは難しいかもしれませんが、この素敵な世界が続いていって欲しいと思います。

個人的には、刑事時代のカイルの話とかも遊んでみたいな。
刑事なら、事件さえ起これば捜査するのに特別な理由付けはいらないし、
なによりブラッドリーとカイルのコンビが見たくて見たくて。(2人の友情もの希望v)
仕事の終わりにプールバーでバーボン飲みながら、ビリヤードするイケメン刑事達も…!

そんな夢みたいなゲーム…、出たらいいな。言魂言魂。

…それにしても、レイチェルだけ今回も苗字無し。これ、何かの伏線なのかな?(10/01/30)





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